ブルーグラスの5弦バンジョー弾きにとっては、とにかく「Gibsonエラい!」なんです。それも「Pre War」という第二次大戦前に作られたビンテージものの音が最高とされてます。バンジョーという楽器は、ドラムと同様のヘッドを張る関係もあって金属部品が多用されてますが、その上でもウッディで深みのあるトーンが好まれます。PreWarのGibsonは、50年の歳月を経てることもあって絶妙に枯れたイイ音がするのは間違いないんですが・・・今ではもう常人には手を出せないところまで高騰しちゃってます。リーマン・ショック以降は多少は下がってるでしょうが、それでも数百万単位でしょう。そんなものが買える筈も無い一般人向けに、PreWarの音を再現すべく多くの新興メーカーが凌ぎを削ってます。音だけでなく姿形も似せちゃうので、みんな同じ感じになっちゃうんですね。
一方で、ボクのような天の邪鬼系はあんまりそこら辺にこだわらない。業界を20年以上離れてたので、そこまでみんながPreWar志向になってたとも知らなかったし。逆にそういうのと真逆な方がエッジが立ってイイんじゃね?!くらいのノリです。
いや、一応ボクもGibsonユーザーではあるんです。昨年、Palmユーザーとしてのお付き合いも長いMさんから「ほとんどGibson」なバンジョーを譲ってもらったんです。なぜ‘ほとんど’かっていうと、正式な製品としての型番があるものではなく、'50〜'60年代くらいのGibsonバンジョーのパーツを寄せ集めて組み上げたものだからなんですね。これはかなりイイ音がしてます。が、ちょっと古いこともあって、雨が降ることも多いフェスに持って行くのが憚られるんですよね。小雨が吹き込む湿度100%の中でジャムし続けてると、楽器へのダメージが・・・ギターやマンドリンもみんなすんごく高いのを平気で持って来てますがおっかなくないのかな?勿論弾いてなんぼではあるんだけど。
そんなこんなで、‘ほとんどGibson’をフェスに持って行かなく済むようにということと、フレットの打ち替えや各所の調整が必要になってることもあって、セカンドバンジョーが必須な状況になってました。ソリッドボディのエレキバンジョーであるDeering Crossfireというのを持ってましたがほとんど弾かなくなってるので、こいつを売って買えるくらいのを探してたところ見付けたのがコレ。
Nechvilleというメーカーの「Geometrics Eclipse」という、いかにも日本人に受けなさそうなヤツです。お茶の水の某店でもう随分と前からあるような気がしますが、売れない為に漸次価格を下げざるを得なかったということのようで。
このバンジョー、容姿もさることながらその構造も革新的なんですよね。
左がほとんどGibson、右がNechvilleです。違いは一目瞭然ですが、ボディの真ん中の2本の棒(ロッド)がありません。それとヘッドを固定する方法も大きく異なります。オリジナルのHeli-Mountという仕組みなんですが、普通のバンジョーのパーツ数の多くを占める‘ブラケットフック’ってパーツがまったくありません。ま、その辺りのことを詳しく知りたい方はココをご覧くださいな。なんかややこしいこと満載ですが、頑丈でメンテナンスはかなり楽そう。フェス向きです。
Overproooofというバンドは、バンマスのギターもブルーグラスのセオリーを無視したGibson J-45だし(ブルーグラスのギターはとにかくMartin、それもD-28が大多数です)、ベースもゴムベース(ゴム製の弦を使った超ショートスケールベース)とか、ウクレレベース(ゴムベと同じような弦でウクレレのボディ)とかの際物?を登場させることに喜びを感じるようなので、こういうバンジョーが丁度イイんです(^O^)
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